日本人のグラフィティライターについて。誰が何の目的で描いているのか。

この記事は約7分で読めます。

日本で活動するグラフィティライターに興味がありこの記事に辿り着いた読者の皆さん。筆者は日本のグラフィティ、そしてグラフィティライターが非常に好きです。恐らく一般人の中ではかなりマニアの部類に入ってくるかと思います。
この記事に訪れた日本のグラフィティに興味を持つ方向けに、日本で活動するグラフィティライターを紹介します。

この記事を読むことで日本のグラフィティライターと、その魅力に触れることができます。

日本人のグラフィティライターについて

日本のグラフィティシーンは独自の進化を遂げています。日本は他の国と比較してもグラフィティの犯罪としての側面を強く見る傾向にあり、非常にグラフィティが行いづらい国です。そんな中でグラフィティを行う彼らグラフィティライター(あくまで自分の名前を書く行為なので「writer」と呼ばれる)は、ストリート文化の中で独特の位置を占め、日本のアートシーンに新たな風を吹き込んでいます。

グラフィティライターとグラフィティアーティストは別物

グラフィティライターとグラフィティアーティスト、そしてストリートアーティストは全く別物であるということは、グラフィティライターについてご説明する前にまずは触れておかないといけません。
彼らの世界ではあくまでリスクを背負って街に書くものをグラフィティと呼び、その行為者をグラフィティライターと呼びます。つまり、

  • グラフィティに似た絵柄でキャンバスに描いているだけの人
  • グラフィティっぽいものを描いてはいるが街に描いたことがない人

は、彼らの世界ではグラフィティライターではなく、ただのアーティストになります。
もちろん街に書く行為は器物損壊であり、軽犯罪になるのですが、そういったストリートでのあらゆる障害を経験しているからこそ彼らの作品は独特な雰囲気を醸し出します。

日本人グラフィティライターとそのスタイル

日本人のグラフィティライターを紹介します。
紹介したい人が多すぎてこの記事だけでは伝えきれないので、今回はインタビューなどでメディアに一部出ている方をピックアップします。

フラフィティライター:VERYさん


日本のグラフィティライターを語る上でVERYさんを避けることはできないでしょう。
大阪を中心に活動を行うグラフィティライターのVERYさんは国内外を問わず大きな影響力を持っており、近年ではグラフィティカルチャーの新たな可能性を拡大させるべく、大阪のグラフィティライターたちとウェールアーとプロジェクトなどにも積極的に参画しています。

VERYさんは雑誌でインタビューなども数回受けているのでぜひ読んでみてください。有名なストリートカルチャー雑誌のOllieでも一度グラフィティ特集が行われ、VERYさんが所属する有名なグラフィティクルーである「246crew」が掲載されています。僕ももちろん速攻で購入しました。まだ購入できるのでぜひ読んでください。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Ollie VOL.256 2022 nov. [ Ollie編集部 ]
価格:1,320円(税込、送料無料) (2023/12/3時点)

グラフィティライター:TECKさん

関東を中心に活動を行うグラフィティライターです。東京を歩いていたら遭遇しない日はないくらいガンガン描いており本当に感動します。ニート東京にも出演されているのでぜひ見てみてください。

TECKさんもインタビューを受けており、個人的にはこの記事めちゃくちゃよかったのでぜひ一度読んで欲しいです。

日本のグラフィティライターの個性やスタイル

本当はご紹介したいグラフィティライターさんがたくさんいるのですが、書き出せばキリがないですし、何よりこうしたサイトで勝手に名前をあげるのも問題あるかと思うので、一旦は別メディアでインタビューなどが掲載されている方のみ書きました。

 

この投稿をInstagramで見る

 

umwelter(@umwelter)がシェアした投稿

気になる人は調べてみたら意外とインタビューなど出てくると思うのでぜひ調べてみてください。グラフィティライター自身が出しているZINEにもインタビュー載っていたりするのでぜひディグってみてください。

日本人グラフィティライターの特徴

先ほども触れたように、日本でのグラフィティに向けられる目は非常に厳しく、世界的に見てもグラフィティを継続することが極めて難しい環境です。

そんな環境の中で活動する日本のグラフィティライターたちの、グラフィティにかける熱量やその熱量に支えられる文化の様相は非常に魅力的で面白いです。

日本のグラフィティライターの状況と社会的影響

先述したように、日本ではグラフィティは器物損壊として犯罪になります。しかしそのカルチャーは奥深く、時に社会規範の側面から興味深い見られ方をすることもあります。

グラフィティと聞くと「バンクシー」を思い浮かべる人も多いでしょう。(ちなみに個人的にはバンクシーはグラフィティライターではなくアーティストだと考えていますが、その話は長くなるので割愛します)。バンクシーは単なるアート作品ではなく、しばしば社会的なメッセージを伝える手段としてグラフィティを使います。このセクションでは、グラフィティが公共空間に与える影響と、社会におけるその役割と意義を探ります。

グラフィティアートの社会的意義

グラフィティは、単なるストリートでの活動以上の重要な役割を担っています。今でこそさまざまな変化を遂げてはいますがは、元々は社会的なメッセージを伝え、地域に住む人々の声を可視化する手段として使用されてきました。グラフィティはしばしば、政治的、社会的なテーマを扱い、具体的なメッセージを強く込める人もいます。

正直なところ、そこまでメッセージを込めてしまうとグラフィティ本来の「自分の名前を街に刻む」という行為からは離れてしまうので、もはやグラフィティライターではなくアーティストになってしまうな、とは思います。

また、グラフィティアートは、地域コミュニティにおける自己表現の手段としても機能します。地域社会の文化的アイデンティティを反映し、その歴史や価値観を壁画に描き出すことで、地域の団結感を高め、地域に色と活力をもたらします。

海外ではむしろ書いて欲しい!という人もいるらしく、グラフィティライターによる作品は、地域のランドマークとなり、地域住民に愛される存在になります。

グラフィティライターと公共空間

少し難しい話ですが、グラフィティを語る上で公共空間との関係性は外せません。グラフィティは街にグラフィティライターたちの名前を書く行為なので、公共空間とは密接な関係を持っています。

「公共空間は誰のものなのか」という議論に発展することがよくあります。小池都知事がバンクシーに対し好意的な投稿をして物議を醸していましたが、果たしてお金になれば良いのか、そもそも街は誰のものなのか、いろんなことを考える良い機会だったのではと思います。

グラフィティと法的な側面

もちろんグラフィティを語る上で法的な側面の話も外せません。グラフィティは器物損壊という軽犯罪にあたりますのでしっかり犯罪行為です。

もちろんグラフィティライターが捕まることもよくあります。

日本のグラフィティライターの今後とまとめ

日本のグラフィティシーンは、特有の文化的背景を持ち、独自の発展を遂げています。
日本人グラフィティライターの中には、途中からアートの世界へと活動範囲を広げ、第一線でアーティストとして活動する人もいます。

一方で、あくまでも街に出て書くグラフィティと、キャンバスの上で描かれるグラフィティアートは全く別物ではあるのでどのようにグラフィティを商業的に活用していくのかは非常に難しい領域になります。TECKさんもこちらの動画でグラフィティの商業化についてお話ししていますね。

日本のグラフィティライターの未来

日本のグラフィティライターを取り囲む環境は今後もますます厳しくなっていくでしょう。街の再開発は進み、落書きをすることによる人々の目線も厳しくなることが予想されます。

筆者ももちろん犯罪行為を推奨しているわけではないので、ゆるくしろ!と主張しているわけではありません。しかし長く深い文化を持つグラフィティが、犯罪であるという一面だけで簡単に切り捨てられ排除されることに対しては違和感を持っています。グラフィティライターが社会とどう共存していけるのかをゆっくり考えるべきかもしれませんね。

コメント

タイトルとURLをコピーしました